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グリッド・トラリピが本当に回せるプロップファームは2社だけ|「禁止されていない」と「使える」は別の話

公開日: 2026/9/16更新日: 2026/9/27

※ 本記事は各社の公開規約・ヘルプセンターを2026年9月16日に確認した内容です。投資助言ではありません。グリッド・トラリピは含み損が急拡大しうる手法です。ファーム固有のルールは頻繁に更新されるため、購入前に必ず各社公式サイトでご確認ください。

グリッドやトラリピ(トラップリピートイフダン)型のEAをプロップ口座に載せたい、という相談は多いのですが、調べ方を間違えている人がほとんどです。

やりがちなのは「禁止事項一覧にグリッドと書いてあるか」を見て終わること。これだと判定を外します。グリッドを名指しで禁止しているファームは実は少数派で、大手の多くは一言も触れていません。それでも回らない。理由は別のところにあります。

結論:先に答え

ファームグリッド/トラリピ市販EA含み損の上限DDの基準判定
City Traders Imperium 1ステップ明示的に許可可(所有証明も不要)記載なし残高ベース・5%トレーリング・日次なし◎
Fintokei禁止リストに無い不可(自作のみ)全建玉合計で3%エクイティ・静的10%(初期資金基準)○
FTMO名指しなし可「著しく大きなポジション」条項エクイティ・静的10%△
E8 Markets名指しを確認できず可裁量で1%に制限しうる条項ありエクイティ・静的△
Funding Pips名指しなし不可Risk Per Trade Ideaエクイティ△
Hantec Trader名指しなし可(チャレンジ系のみ・設定のカスタム必須)Funded後は含み損合計が初期残高の3%エクイティ△
Funded7Rule 2 のリスク内なら可ティア別 1〜3%エクイティ△
Moneta Funded明示的に禁止不可同一銘柄 2〜3%エクイティ✕
Eightcap Challenges明示的に禁止可同時10ポジ上限エクイティ✕
Alpha Capital—完全自動EAが全面禁止同一銘柄 1〜3%エクイティ✕

回せるのは実質2社です。しかも性格がまったく違います。

「禁止されていない」だけでは足りない3つの理由

① 含み損に上限があるファームでは、段数が規約で決まる

グリッドは含み損を抱えることで成立する手法です。ところがプロップ口座の多くには「1トレードアイデアあたりのリスク上限」や「オープンリスク上限」という条項があり、含み損がその%に触れた瞬間に口座が閉じます。損切りではなく口座終了です。

厄介なのは、この上限が銘柄ごとなのか口座全体なのかがファームで違うこと。

  • Fintokei:同時に開いている全ポジションの合計(銘柄・方向を問わない)に3%が効きます。グリッドとは最悪の相性です
  • Moneta Funded / Alpha Capital / Hola Prime:同一銘柄ごとに2〜3%。しかも同一銘柄・同方向を10分以内に建て増すと合算されます。グリッドの刻みが10分より速いと、全段が1つの取引として合計されます
  • Hantec Trader:Funded口座で全ポジション合算の含み損が初期残高の3%に達すると即失格(評価中はなし)

② エクイティ基準のDDは、含み損だけで失格する

ここが本丸です。最大ドローダウンの判定がエクイティ(含み損益込み)なのか、残高(確定損益のみ)なのかで、グリッドの生存率はまるで変わります。

大半のファームはエクイティ基準です。つまり1円も損切りしていなくても、含み損が膨らんだ瞬間に失格します。グリッドは「今は含み損だが戻れば利益」という前提で動く手法なので、この判定方式とは根本的に噛み合いません。

残高ベースを採っているファームは、含み損がいくら膨らんでも決済しない限りDDに計上されません。これがグリッドを回せる唯一の器です。

③ 市販EAが使えるかは、ファームごとに別のルール

トラリピ型のEAは市販品を買って使うケースが多いはずです。ところがEAの自作/市販の線引きはグリッドの可否とはまったく別条項で、ここで落ちます。

Fintokei は禁止事項の4番目に「Using unauthorized 3rd-party signals or EAs」を置いています。グリッド自体は禁止していないのに、買ってきたトラリピEAは使えません。自作か、自分でロジックを組んで管理しているものに限られます。

本命1:City Traders Imperium 1ステップ

2018年設立のロンドン系で、今回の条件をすべて満たす唯一のファームです。公式のEAガイドと1ステップのルール表で確認しました。

  • マーチンゲール:許可("Martingale is explicitly allowed on the 1-Step Challenge")
  • グリッド:許可("test higher-risk models such as martingale or grid systems if you apply proper risk management")
  • 第三者製EA:許可、しかも所有証明が不要("Third-party EAs are permitted without requiring proof of ownership")
  • ドローダウン:Balance Based(最高残高 − 開始残高の5%。含み損では動かない)
  • 日次ドローダウン:なし
  • ニュース・週末持ち越し:許可
  • 目標8%/最低3利益日/分配80%(VIPで90〜100%)
  • 価格:$2.5K $29 / $5K $49 / $10K $79 / $25K $159 / $50K $299 / $100K $449

残高ベースDD・日次なし・含み損上限の記載なしという3点セットは、今回調べたなかでここだけでした。トラリピのように「含み損を抱えて戻りを待つ」設計と、規約側が正面から噛み合っています。

禁止されているのはHFT・レイテンシー/エラーの悪用・市場クローズ際のギャップ狙いの3つと、「システムを出し抜いているように見える」操作的なパターンです。通常のグリッドはここに当たりません。

ただし注意点が2つ。 ひとつは、この条件は1ステップ専用だということ。2ステップ・Instant・Direct は「自作EAのみ・マーチン不可」で別物です。買うプランを間違えると全部ひっくり返ります。

もうひとつは5%トレーリングDDが開始残高の5%で固定幅である点。残高が伸びれば床も上がってくるので、含み損に耐えられても確定損の許容は最後まで5%のままです。グリッドの「最後にまとめて損切り」が一発で床を抜きます。

本命2:Fintokei(ただし段数が規約で決まる)

日本語で完結する唯一の候補です。2026年9月16日に公式ヘルプで確認したところ、禁止取引慣行は9項目で、グリッドもマーチンもナンピンも入っていません。

さらにマーチンゲールについては2025年7月28日に明示的に解禁されています。原文はこうです。

"As of July 28, 2025, Martingale Trading & Aggressive Averaging is no longer listed among our prohibited trading practices." "You will not be penalized for using Martingale or Aggressive Averaging."

同じページで推奨はしないと明記したうえで、代わりに効かせている歯止めも書かれています。Maximum Risk limit on open trades(含み損の上限)と Daily Loss Limit の2つです。つまり Fintokei は「手法は縛らない、リスク量で縛る」方針に切り替えたわけです。

この Maximum Risk が3%で、しかも同時に開いている全ポジションの合計に効きます。 これがグリッドの段数を規約側から決めてきます。

何段まで並べられるかを逆算する

等ロット・等間隔のグリッドで、価格が最下段まで下げ切った瞬間の含み損はこうなります。

Code
含み損 = 1段あたりのロット × 契約サイズ × 間隔 × n(n−1)/2

サファイヤ(2,000万円)で XAUUSD、1段 0.05ロット(=5オンス)、間隔 $5/oz を例にすると、上限は2,000万円の3%=60万円(1ドル160円で約$3,750)です。

段数 nn(n−1)/2含み損判定
1045$1,125余裕
15105$2,625余裕
17136$3,400ぎりぎり
18153$3,825上限超過

17段が壁です。しかもこれは「最下段まで下げ切ったちょうどその瞬間」の数字で、そこからさらに下げれば1段の下落あたり全段合計で $425 ずつ増えます。実務では14〜15段で設計して余白を残すのが現実的です。

なお Fintokei は市販EAが使えません。トラリピEAを買って載せる運用はここでは成立しないので、自作するか、パラメータを自分で組んだものに限られます。

明示的に禁止しているファーム

名指しで禁止している社は素直に避けてください。

  • Moneta Funded:マーチン・グリッド・HFTを禁止。EAも自作のみ。さらに1ステップ・2ステップは赤指標の前後5分は建玉も決済も不可で、時間で動くグリッドとは相性が最悪です
  • Eightcap Challenges:ティックスキャル・マーチン・グリッド・ヘッジ・コピートレードを禁止。HFTだけは明示的に許可という珍しい構成です。同時10ポジション上限もあります
  • Alpha Capital:グリッド以前に完全自動EAを全面禁止しています。公式ヘルプの原文は「いかなる場合も承認しない」で、使用すれば即時口座閉鎖。許可されるのはロット計算やSL/TP管理などの補助ツールだけです

トラリピ特有の落とし穴

週末持ち越し:グリッドは建玉を持ち越す前提ですが、週末持ち越しを禁止しているファームがあります(Alpha Pro のファンド口座、E8 Signature など)。E8 Signature は翌日持ち越しすら不可なので選外です。

スワップ:段数が増えるほどスワップが効きます。含み損の判定は多くの場合スワップ込みのエクイティなので、上限計算にスワップ分の余白を見ておいてください。

両建て:Fintokei は「Opposite trading / hedging across multiple accounts or traders」を禁止しています。同一口座内のヘッジは対象外ですが、複数口座で反対方向のグリッドを回す設計は規約違反です。

最低取引日数:CTI 1ステップは「3利益日」が条件です。単なる取引日ではなく利益を出した日である点に注意してください。グリッドは細かく利確するので通常は問題になりません。

FAQ

Q. グリッドを名指しで禁止しているファームは少ないのに、なぜ回らないのですか?

落とすのは禁止条項ではなく、含み損の上限とドローダウンの判定方式だからです。多くのファームは最大DDをエクイティ(含み損益込み)で判定するので、1円も損切りしていなくても含み損が膨らんだ時点で失格します。グリッドは含み損を抱えて戻りを待つ手法なので、この判定方式と根本的に噛み合いません。

Q. 残高ベースのドローダウンを採っているファームはどこですか?

City Traders Imperium です。 1ステップのルール表に "Balance Based" と明記されており、ドローダウンの床は「到達した最高残高 − 開始残高の5%」で決まります。含み損では床が動かないので、決済しない限りDDに計上されません。今回調べた範囲でグリッドを現実的に回せる唯一の器でした。

Q. 買ってきたトラリピEAをそのまま使えますか?

City Traders Imperium の1ステップなら使えます。 公式に「第三者製EAは所有証明なしで許可」と書かれています。一方 Fintokei は市販EAが禁止されているので、グリッド自体は禁止されていなくても買ってきたEAは載せられません。自作するか、自分でロジックを組んだものに限られます。

Q. Fintokei で何段まで並べられますか?

上限は「同時に開いている全ポジションの含み損合計が残高の3%」から逆算します。 サファイヤ(2,000万円)で XAUUSD、1段0.05ロット・間隔$5/oz なら17段が計算上の壁で、実務では14〜15段が現実的です。この3%は銘柄も方向も問わず全建玉の合計に効くので、複数通貨ペアで同時に回すと枠を食い合います。

Q. マーチンゲールとグリッドは同じ扱いですか?

別物として扱われます。 マーチンゲールは「損失後にロットを増やす」手法、グリッドは「等間隔に建て増す」手法で、規約上も分けて書かれることが多いです。たとえば Funded7 は Rule 4 でマーチンゲール(1.0→1.5→2.0とロットを増やす行為)を名指しで禁止する一方、同ロット・減ロットで買い下がるのはリスク上限内なら可と明記しています。詳しくはナンピンが使えるプロップファームにまとめました。

Q. 日次ドローダウンが無いファームを選ぶべきですか?

グリッドなら強く推奨します。 グリッドは含み損が一気に膨らむ局面が必ず来るので、日次の枠があるとそこで先に落ちます。CTI 1ステップは日次ドローダウンが無く、最大DDも残高ベースなので、この2点だけでも候補として突出しています。

参照ソース

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この記事を書いた人

ホソノP |プロップファーム攻略の人

自分のお金でチャレンジを買い、出金まで記録して検証しています。記録した出金は Fintokei・Fundora・Funded7 で合計 610万円、The5ers で $4,776(2026年9月時点)。半裁量EA「ELDRA」の作者。

プロフィールと出金実績X @hosono_p

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