
プロップの損は参加費で止まり、上は青天井。期待値は合格の先にあるので、どの口座もルールの上限で張るのが前提です。同じEAを全口座にミラーすると、口座を何個買っても合格の試行は実質1回分。銘柄・時間帯・手法をずらして独立した弾数を増やし、参加費を複数社に散らし、落ちた口座はすぐ買い直す。その理屈と、コピートレード・口座間ヘッジの規約の落とし穴を解説する理論編です。

5月まで私は全口座に同じ売買をミラーしていました。今は複数のチャレンジをバラバラの波で並列に走らせ、生き残ったものだけを次に進めています。これを「チャレンジ蒸留」と呼んでいます。40,000本のモンテカルロで検証したところ、蒸留は期待値を1円も増やしていませんでした。増やしていたのは「その期待値を実際に手にできる確率」のほうで、エッジゼロでも13.0%から81.1%へ跳ね上がります。効くのは本数ではなく口座同士の相関で、相関0.8なら何本並べてもリスクは0.894までしか下がりません。波の分け方(銘柄・曜日・時間帯・SL/TP)ごとの効き目、ファンド口座も出金したら爆破する理由、禁止されている口座間ヘッジとの違いまで。Fintokei・FTMO・FundedNext の実売価格で計算。2026年9月に実データ(5戦略×8銘柄=40本、2010-2026)でも検証し、同じ波を並べても全滅率58.4%が動かないこと、10本に分けると1.8%へ落ちることを確認しました。

SL/TPをスプレッド×40に置けばコスト比は通貨ペアに依存しない。厳密解と実EA24本で検証した結果、チャレンジ1本の期待値は受験料10.88万円に対して+11.9万円(95%信頼区間+1.8〜+38.1万)。1日の試行回数を日次ロス枠まで増やすと決着が139日から7日に縮み、複数口座では口座ごとにシードを変えるだけでプラス確率が56%から98%に変わる。唯一の穴はギャップによるストップロス飛び越え。

プロップ界隈でよく名前の挙がる Dan Cheung(ダン・チェン、ロンドン拠点)の account rotation を、本人の発信から整理しました。中身は「一度に1口座だけ触る。日次の利益目標かストップに当たったらその口座は閉じて次へ行く。負けた口座を取り返しに行かない」の3行です。回数を増やす話だと誤解されがちですが、本質は損失を1口座に封じ込めることのほう。そのうえで、この運用が日本から使える各ファームの規約で実際に通るのかを、一貫性ルール・最低取引日数・合算上限・複数口座条項の4点から検証しました。

同じ戦略を複数口座で回そうとすると、合計資金の上限に当たる。E8 Markets 425万ドルからFundedNext・PipFarmの30万ドルまで14倍の幅。FTMO 40万ドル・FundedNext 30万ドル・FundingPips 40万ドル・SuperFunded 90万ドル・Hantec 40万ドル・Fundora 6,000万円と幅がある。さらに重要なのが「チャレンジ中も枠を消費するか」で、ここが社によって正反対。The5ersは各口座で異なる取引手法が必須という条件があり、同一EAの複数展開ができない。

同時に複数のチャレンジを回すとき、ファーム選びの基準は1口座のときと変わる。同一ファーム内でのコピー可否、1口座の違反が他口座に波及するか、合計資金の上限という3軸で16社を整理し、スイング向けとデイトレ向けに分けて推奨を出す。

FundedNextは「チャレンジとFunded口座で同じ戦略を維持すること」を明記し、EAで通してから手動に切り替えるのを禁止している。一方Fintokeiは一貫性ルールなしで後付けもしないと明言。Hantecは同じ会社でもEnhancedは制限なし・EnhancedXは35%と正反対。手法を変える前に確認すべき点を20社分まとめた。

TradingCultはEA・botの使用そのものが禁止で違反はハードブリーチ。同社とFundedEliteは「口座ローリング」も明文で禁止している。Funded7は自分のEAでも他トレーダーと結果が高相関ならグループトレード扱いで失格。さらにSuperFundedは評価中は指標トレード自由なのにFunded段階だけ±10分禁止、FundedEliteの戦略リスク制限は資金提供段階のみ適用と、チャレンジとFundedでルールが変わる社を公式FAQから9社分まとめた。

チャレンジが思うように進まないとき、ロットを上げたくなる。時間帯を変えたくなる。でもその判断、統計的には根拠がありません。合格率が40%と25%の手法を見分けるには1つあたり150口座必要で、普通は1〜2口座しか持っていないからです。一方でファンド到達の瞬間には、評価中に存在しなかったルールが一斉に発動します。Hola Prime は1トレード2%、Hantec は指標前後3分が決済も含めて違反。ここでは必ず変えなければいけません。どこを固定してどこを変えるのか、ドローダウンが進んだ口座をどう扱うのかを、モンテカルロ4万本で整理しました。2026年9月18日時点。

利益目標も最大DDも横並びなのに、同じ戦略を通すとサイクル日数が17.2日から59.6日まで3.5倍ひらく。原因は「1トレード1%ルール」。通過率は33.7〜38.7%とほぼ差がない一方、Phase1が10%の会社は1段目で5ポイント不利、分配60%の会社はFunded期待が4割落ちる。実測3,826取引の保有時間分布と合わせて、8社をルールで仕分けた。Hantecの3分ルールが「3分未満の決済の純利益が全体の30%以上」という比率の条件である点も検証。

Funded7の出金申請が「Rule 1(一貫性基準)R1A:ポジションサイズ」の未達で保留(DELAYED)に。公式FAQに載っている許容上限 MIN(中央値×2.5, Q3+1.5×IQR) を、当サイト運営者に届いた審査メールの実数(中央値124万円・IQR 1.7万円・上限127万円・最大玉129万円)で分解。ロットを揃えすぎるほど上限が縮む仕組み、固定ロットのBTC EAが引っかかる理由、Rule 2・Rule 3との違い、利益は没収されないこと、次回審査で通すための考え方まで。

±20万円のコイントスだけでプロップのフェーズ1突破率を厳密に計算。手数料ゼロなら目標8%/最大DD10%で55.6%、FTMOはちょうど50.0%。手数料5%で43.2%まで落ち、日次DD3%の1ステップ系では8%台まで沈む。実際の合格率5〜14%と比べると、平均的なトレーダーはコイントスに負けている。